鉄道セミナー「乗らずに死ねるか!〈関西私鉄篇〉」のご報告

しばらく体調を崩しておりまして、すっかり更新を滞らせてしまいました。11月もあと少しですので、できるだけ更新回数を伸ばしたいと思います。

さて病み上がり1回目は、遅まきながら11月20日に開催された鉄道セミナーのご報告です。セミナーの趣旨は、関西私鉄の名列車たちの見どころ、愉しみ方を伝授するというもので、黒田氏いわく「鉄道会社の思惑とは別に、プロマーケッターの視点でこれはと思う列車をセレクト、勝手にプロデュースしちゃおう」。

初の鉄道セミナーなので、当日はいろいろ心配がありました。まず、受講者のみなさんがどれくらい集まってくださるか。事前に申し込みをいただく形式である程度人数は把握していましたが、この手のセミナーでは当日キャンセルは珍しくありませんので、お客様がお一人見えるたびに心底ありがたく感じました。

席が埋まってくると、今度は緊張が高まります。主役はあくまで講師の黒田さんで、私はいわば黒子ではありますが、それでもセミナーの前後には進行役として多少は喋らなくてはなりません。ほんのちょっとのことなのですが、これがなかなかプレッシャーです。

しかしセミナー直前は、そんなことを不安に思っている場合ではありませんでした。というのも、開講直前になっても、黒田さんのプレゼン資料が出来上がっていなかったからです。

おおよその筋立ては出来上がっていましたし、材料も揃っていたようですが、まだ形が整っておらず、果たしてセミナー開始までに間に合うのか、あやしいものでした。講義中に見ていただくレジュメと、講義後にお配りするサマリー(まとめ)の書類は事前に手配が済んでいましたから、最悪の場合、写真さえあれば何とか様になる見込みはありましたが、せっかくたくさんの人に集まっていただいたのですから、可能なかぎりベストな状態にもっていきたいところです。

しかしながら、開講前になってもプレゼン資料は完成していませんでした。黒田さんは、まるで何かのマクロを見ているかのような、驚くべき早さで資料を作成していくのですが、残り10分というところで「あと3つ、何とか頑張ります」などと言います。まいりましたが、どうしようもありません。会場に戻って待つことにしました。

とうとうセミナー開始の時間になりました。黒田さんはまだ現れません。が、すでに受講のみなさんは席について待っておられます。仕方ない、順番が違うけれど、セミナーの注意事項から先にお話ししておこうかと腹を決めてしゃべり出したところで黒田さんが入ってこられました。少し時間を過ぎていたのでギリギリセーフとは言い難いところですが、何はともあれ真打ち登場です。

過去に黒田さんの講演を聞いた人が何人かいらしたせいか、黒田さんの登場で会場が少し沸き、若干の前説のあとは何事もなかったかのようにセミナーはスムーズに始まり、軽妙なトークが始まると、場は一気になごみました。

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前説に静かに聞き入る黒田氏。

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今日の段取り説明。この段階でも列車名は明かしませんでした。

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黒田氏の生い立ち紹介。洗礼は札幌市電、のち上京して鉄道ファンの階段を順調にのぼってこられたようです。

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関西私鉄との出会いは修学旅行で京都に来た時で、初京阪・初近鉄だったとか。その後、初阪神、私鉄じゃありませんが初新快速(117系)と次々に初体験を済ませた由。軽妙なトークにところどころで笑いが起こりました。

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黒田さんが愛してやまない京阪80系。愛しさのあまり、個人的に保有することになったとか。おそるべし。現在は寝屋川車庫に保存しているそうで、美術イベントに使ったこともあるそうです。

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やや突っ込んだ自己紹介のあとは、黒田さんの講演ではおなじみの「マニア度チェック」。黒田さんはプロのマーケッターでもあるので、最初にこうして参加者の傾向をつかみつつ、場をなごませるわけですね。

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マニア度チェックのひとつ。「年賀状や結婚式のモティーフに鉄道を用いた前科がある」。

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(車両連結部を指して)「こーゆー部分に目が行く人!」

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「ホシV6」を見て、意味がわかる人!

こんな感じで受講生をぐいぐい惹きつけていきます。その手腕には舌を巻くばかりです。いつのまにか、会場には一体感が形成されているようでした。

久しぶりに書くといけませんね。ずいぶん長くなってしまいました。ここで当日取り上げた車両を簡単に紹介しておきましょう。

(1)マルーンの到達点に感じ入る――阪急7000系
(2)ほら、あの夜景を見に行こう――神鉄1000系列
(3)純喫茶、臨港線、連絡船――南海10000系
(4)リニューアルのあり方とは――近鉄26000系
(5)見た目も実力もいぶし銀――山陽5000系
(6)劇場路線に立つ千両役者――京阪3000系

いかがでしょう。数ある名列車のなかでこの6本を選択するあたり、黒田氏の個性が表れていると思います。各社がいま押し出しているフラッグシップがまったく含まれていません。

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これはたぶん神鉄1000系の車窓。右手に見えるのは廃止された新有馬駅の跡地だったと思います。

ほかにもご紹介したいところですが、長くなりましたので今日はここまでにしたいと思います。

最後に、当日セミナーにお越しくださったみなさん、ありがとうございました。厚く御礼申し上げます。また、申し込みしつつも都合で来られなかったみなさん、またの機会にぜひお越しください。きっと楽しんでいただけると思います。

今回大変好評でしたので、そう遠くないうちに鉄道セミナー第2弾を開催したいと思います。ご期待ください。
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ブルートレイン廃止へ

今日11月7日の報道によれば、JR3社がブルートレインをはじめ、客車使用の寝台特急を廃止する方向で調整しているとのこと。

具体的には以下のスケジュールで消えていくそうです。

 「あけぼの」(上野~青森間):2014年3月に廃止。
 「北斗星」(上野~札幌間):2015年3月に廃止。
 「カシオペア」(上野~札幌間):2016年3月に廃止。
 「トワイライトエクスプレス」(大阪~札幌間):2016年3月に廃止。

「あけぼの」は廃止されると思っていましたが、「北斗星」「カシオペア」「トワイライト」まで消えてしまうとは驚きです。北海道新幹線の開業、車両の老朽化、運用コストなどいろいろ都合があるのでしょうが、指定券がとれないような人気列車が消えていくというのは、どうもしっくりきません。理解は十分、納得半分というところでしょうか。

所澤氏にこのことを伝えたところ、「もう北海道に行くことがなくなるかもね」と言われました。氏はなぜか北海道が大好きで、少なくとも年に1回は冬の北海道を訪れるそうです。これまでに40回以上旅行したうち、飛行機に乗ったのは1回だけだそうですから、北海道行きの寝台列車がなくなると、もうほとんど行く術も目的もなくなってしまうということなのでしょう。

鉄道セミナーのご案内(2)

先日ご紹介したセミナーの開催情報が、本日付の読売新聞(大阪本社版)の夕刊に掲載されました。

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鉄道手帳と今回のセミナーは直接には関係がありませんが、こういう告知には何か画像がいるものらしく、広告担当の判断で『鉄道手帳』の書影が入りました。まあ車両写真を入れるわけにもいきませんし、手帳の宣伝にもなるので、これはこれで良かったと思います。

おかげさまで続々とお申し込みをいただいております。大阪市内の方は意外に少なく、府下および府外からのお申し込みが目立ちます。奈良の方はまだ近いほうで、名古屋や高知からのお申し込みもあります。女性の方も目立ちます。ありがたいことです。

まだ残席がありますので、参加ご希望の方はお早めにお申し込みください。

重複しますが、セミナー開催についてまとめておきます。

◆創元社鉄道セミナー「乗らずに死ねるか!〈関西私鉄編〉」
日 時:2013年11月20日(水) 19:00~20:30
場 所:創元社ビル 4階セミナールーム
講 師:黒田一樹氏(経営コンサルタント、中小企業診断士)
受講料:2000円(特製クリアファイルおみやげ付き)

京阪80系の保存、世界96都市での地下鉄乗車など、無茶な発想と行動を愛する「鉄道楽者」である講師が、ぜひとも乗るべき関西私鉄の名列車の見どころ、愉しみ方を伝授。東京在住の経営コンサルタントならではのユニークな視点で、その魅力を語り尽くします。豊富なビジュアル、巧みな話術で90分もあっという間だと思います。鉄道ファン初心者にもオススメします。

お申し込みはこちらから。→ ◆創元社鉄道セミナー「乗らずに死ねるか!〈関西私鉄編〉」

読売新聞と毎日新聞に広告掲載!

すでに鉄道手帳をお求めの方には無用のお知らせですが、編集担当者にとっては嬉しいことなのでご報告します。

本日付の読売新聞(東京本社版)および11月3日付の毎日新聞(全国版)に『鉄道手帳』の広告が掲載されました。

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5段4割広告という枠で、手帳・カレンダー特集のひとつとして掲載されました。自分のつくった本がこうして掲載されるのは嬉しいものです。今年で6年目になりますが、まだまだ手帳そのものの認知度が低いので、これをきっかけに多くの人に『鉄道手帳』のことを知っていただければと思います。

手帳の下にある「世界で一番美しい元素図鑑カレンダー2014」は、一昨年10月に刊行し、図鑑としては異例のベストセラーとなった『世界で一番美しい元素図鑑』のコンテンツを素材にしたカレンダーです。

毎月ひとつの元素を取り上げ、その元素からできている工業製品や日用品とあわせて紹介、カレンダー欄にはその日に起こった元素にまつわるニュースを記載しています。しかも、なんと元素周期表ポスターまでついています。これはお買い得ですよ、みなさん。

ちなみに先月には、この『元素図鑑』の豪華版が出ています。その名も『世界で一番美しい元素図鑑【デラックス版】 』。最初にこの書名を聞いたとき、「デラックス版て、そんなベタな……」と思いましたが、内容をみるとたしかに「デラックス」です。私が担当した本ではありませんので、内容紹介を引用しておきます。

●『世界で一番美しい元素図鑑【デラックス版】 』
金はなぜ金色をしているのか? 水銀はなぜ常温では液体なのか? 元素がなぜそうした性質をもつのか、なぜそのような形状なのか、周期表に基づく詳しくわかりやすい解説は目からうろこの連続です。累計20万部のベストセラー『世界で一番美しい元素図鑑』の豪華版にあたる本書は、周期表の謎を解き明かすとともに、前作にはなかった新しい写真のほか、元素の実物サンプルや取り外して眺められる付録が満載。さらなる驚きを再び!
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デラックス版だけあって、価格は税込8400円と高価ですが、元素の実物サンプルとして金箔やキュービックジルコニア(人造ダイヤ)、ポリマー粘土などが同梱されており、写真を見て、テキストを読んで、さらに実物に触れられるという趣向です。

2014年版の見どころ(5) 巻頭路線図の改良

今回は原点に戻って、2014年版手帳の見どころを、とりわけ巻頭路線図に絞ってご紹介します。

この路線図については昨年記事の「路線図の編集――原図は畳1枚分以上」などでご紹介したように、毎年、新駅・廃駅や駅名改称等に対応するとともに、新たな凡例や注を加えるなど少しずつ改良しています。

今年はとくに新たなアイデアもなく、駅名関係の変更も多かったのでさらなる改良を加えるつもりはなかったのですが、所澤氏の指摘により大幅な変更を余儀なくされました。下の切り出し路線図を見比べてください。

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2013年版の路線図の一部

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2014年版の路線図の一部

おわかりいただけましたでしょうか。スキャンのやり方がいまいちで文字が鮮明に出ていませんが、2014年版では日豊本線がより海沿いになっているのが確認できますね。2014年版では、こういうふうにして実際の路線の位置や形、路線沿いの特徴をあらわす海岸線の形を大幅に改善しました。

最初からこうなっているべきで、あらためて主張するようなものではありませんが、今回の修正箇所は数十ヵ所にのぼりましたので、あえてご報告する次第です。いままで以上に車窓を想像しながらの「紙上旅行」をお楽しみくだされば幸いです。

なお、新駅開業・駅名改称・廃止駅等については、巻頭路線図p.14にまとめています。

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ここにまとめたのは2012年9月~2013年2月までの動向だけです。それ以降の予定、たとえば2014年3月に廃止予定のJR北海道海峡線の竜飛海底駅や12月以降に開業予定の富山地方鉄道本線の新相ノ木駅(仮称)にかんする記述などは、当該駅掲載ページの下部に※印つき赤字で注を加えています。

『鉄道手帳』のジャケットを「阪神電鉄」仕様に替えてみる

こんにちは、鉄道手帳編集部です。

連休中、一度は更新しようと思っていたのですが、業務外のミッションに手をとられて、ほぼ1週間ぶりの更新となってしまいました。その分をいまから取り戻すことはできませんが、今月は更新回数を増やしたいと思います。おつきあいのほどよろしくお願い申し上げます。

さて、『鉄道手帳』は2008年の発刊以来、手帳本体を紙ジャケット+ビニールカバーでくるむという体裁をとっております。ビジネス手帳のように合皮の表紙(カバー?)にすることも考えましたが、汚れ対策やジャケット・バリエーション、コストなどもろもろを考慮して現在のかたちにした次第です。

ご存じのとおり、紙ジャケットはリバーシブル仕様にしています。当初はオモテ面にだけ印刷を施していましたが、仕事にもお使いになる方がいらっしゃいましたし、また「ISBNが気になる」というもっともな意見も頂戴しましたので、ウラ面に1色印刷を施してビジネス手帳としても使えるようにしました。

これは一部には好評で、「仕事兼用なので助かります」というお便りをいただきましたし、ネット上でジャケットを裏返した写真をいくつか確認いたしました。なかにはジャケットにシールや写真を貼って、自分だけのジャケットをこしらえている方もいらっしゃいました。透明ビニールカバーだと、こういう工夫もしやすいんですよね。

ただ、手帳担当者としてはもうひと工夫したいところです。それで昨年、発売5周年を記念して特設サイトやら当ブログをはじめた時、ジャケットPDFをダウンロードしてもらうかたちでジャケット・バリエーションを増やすという公約を掲げたのですが、申し訳ありません、果たせずに終わってしまいました。

今年こそはジャケット・バリエーションを追加したいと思います。あまり凝ったものにすると好き嫌いが出るのでシンプルなものになると思いますが、少々お時間をいただければと思います。

前置きが長くなりましたが、今日はそのつなぎとして、阪神電鉄仕様のジャケットをご紹介します。

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すでにご存じの方が多いと思いますが、阪神電鉄では今年3月のダイヤ改正時、「大きな文字の阪神電車時刻表」というブックカバーにも使える時刻表を配布しました。時刻表でありながら、文庫・新書のブックカバーとしても使えるという代物で、その斬新さが受けたのか、駅で配布を開始するや5万6000枚の限定配布分があっという間になくなったようです(のちに8万部を追加印刷)。

ただ、限定配布分はなくなりましたが、下記ページでPDFがダウンロードできます。

  ●大きな文字の阪神電車時刻表

上の写真は、その時刻表カバーを鉄道手帳用に加工して装着したものです。サイトに置いてあるPDFは、文庫判・新書判の両方に使える便利なカバーですが、『鉄道手帳』はB6判なので、このまま印刷するとサイズがあいません。

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が、PDFを印刷するときに「123%」に拡大して印刷すると、ぴったり手帳サイズになります。元のカバー下部にある、忘れもの対応の主要駅やお忘れ物センターの電話番号は切れてしまいますが、それ以外は天地左右ともにちょうど手帳サイズに仕上がります。路線図も手帳の袖部分にはちゃんと収まります。

なお、印刷するときは用紙設定の変更をお忘れなく。通常はA4サイズに設定されていると思いますが、用紙をB4サイズに設定して印刷してください。また、手帳からはみ出す部分についてはカットせずに、本屋さんで掛けてもらうブックカバー(書皮)のように、まず時刻表の天地を手帳に合わせて折り返し、続いて左右を手帳に合わせて折り返してください。そうすると、路線図も入るし、手帳に装着したときにズレにくくなります。

ちなみに時刻表をブックカバーにするというアイデア、ほかでもやっていないかと調べたところ、1件だけありました。

  ●宮崎交通 路線バス時刻表ブックカバー

これはバス時刻表で、残念ながら鉄道の時刻表ブックカバーはほかに見当たりませんが、阪神電車でこれだけ成功したのだから、そのうちどこかの鉄道会社が出してくれるだろうと期待します。