富山地鉄・稲荷町テクニカルセンター見学

前回に続いて、富山地方鉄道さんの取材について。

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テクニカルセンターは稲荷町駅を降りてすぐのところにあります。

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緊張しつつ敷地内に踏み込むと、いきなり台車が……。ほかにも部品がそこここに置いてありました。工場に入る前からテンションが上がります。

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車庫の横をすり抜けて事務所に向かうと左手に車両群が見えました。「えっ、これって演出?」と二人して興奮気味に写真を撮っていると、後方から「創元社の方ですか?」の声。車両グループ・グループ長のSさんでした。ちなみに車両が並んでいるのは演出ではなく、普段からこういう並べ方をしているそうです。

電車たちの前でひとしきり話をしたあと、事務所にてインタビューをさせていただきました。いろいろ面白いお話を伺いました。

たとえば富山地方鉄道の車両の形式番号は少し変わっていて、オリジナルの14760形、元西武5000系の16010形、元京阪3000系の10030形、元東急5890系の17480形など、一見するとどういう法則で番号が付されているのかわかりませんが、じつはこれ、上3桁はモーター出力を馬力(PS)で表しているそうです(14760形の出力は110キロワット=147馬力)。ちなみに現場ではたんに「60形」と呼んでいるとのこと。

「将来的に車両を保存することを考えておられるのでしょうか」という問いに対しては、「保存ですか。うーん、保存ねぇ……考えたこともありませんね(笑)。基本的には使えなくなるまで使いたおすので」。おそれいりました。

また、他社さんとの技術交流のようなものがあるのかと思っていましたが、そういうものはほとんどないらしく、すべて独力でするとのこと。しかも、職人さんたちは電気系・機械系というふうには分かれておらず、ほとんど全員の方が両方をこなすそうです。すごいですね。

車両や部品の調達を担当されている技術管理課主任(兼施設計画課主任)・車両担当のNさんはご多忙のようでご挨拶程度になりましたが、嬉しいことに、息子さんが『鉄道手帳』のファンだそうです。大変光栄です。

インタビューのあとは、待ってましたの車両工場見学です。

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ちょうど14760形電車が整備中でした。ちなみに工場内は火気厳禁なので寒い。

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見学した時は、整流子を整備しているところでした。使い込まれた感じが美しい。

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車輪もピッカピカ。

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検査器も見せていただきました。こういう計器を見るだけでワクワクしてしまうのは、男の性でしょうか。

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車庫の中。ステップに登ってみたかった……。

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取り外されたモーター。いつでも使えるようにとってあるそうです。

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ん? これは、どこかで見たような……。

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お、こんなところにアルプスエキスプレスが。

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10030形電車。ヘッドマークの隠し方がまた心憎い。このフラップの設計は前出のNさんがされたそうです。

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フラップを上げたところ。見てください、この嬉しそうな顔。

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左上部の箱は汽笛。

サービス精神旺盛なSさんのおかげで、心ゆくまで取材ができました。当日はけっこう寒かったのですが、Sさんは上着も着ないで長い時間付き合ってくださいました。本当にありがとうございました。

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来た時にはここにいなかったので、帰りがけにパシャ。
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富山地方鉄道さんに取材!

先日、現在進行中の企画『乗らずに死ねるか』(仮題)の取材のため、著者・黒田一樹氏とともに富山で取材してきました。通常はこうした取材には同行しないのですが、諸般の事情により特別に同行することになりました。

富山地方鉄道といえば、最近では映画「RAILWAYS 2」の舞台として脚光を浴びましたが、何と言っても、他社からの譲渡車両を巧みに活用することで知られています。西武5000系(レッドアロー)は16010形として、京阪電車3000系(ダブルデッカー車組み込み)は10030形として、東急8590系は17480形として活躍しています。

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16010形電車(元西武鉄道5000系)

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10030形電車(元京阪電鉄3000系)

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左・14760形電車、右・17480形電車(元東急電鉄8590系)

しかも、これらの車両は譲渡後に独自の改造が施されており、たとえば16010形電車は、車体は西武特急レッドアロー時代の外観をほぼ保っていますが、足回りにはJR485系のものが換装されています。詳しくはありませんが、『鉄道手帳[2014年版]』の「地方私鉄で活躍する大手私鉄・JRの中古車両一覧」に概要をまとめていますので、ご覧くだされば幸いです。

こうした電車への乗車および撮影は、もちろん今回取材の目的のひとつでしたが、メインは富山地方鉄道オリジナルの14760形電車への乗車および撮影でした。富山地方鉄道の創立50周年にあたる1979年にデビューし、翌年、鉄道友の会ローレル賞を受賞した名車両です。

この14760形電車に乗ったり、撮影するだけならいいのですが、黒田氏いわく「特急うなづき号のヘッドマークを着用した姿を見たい」。

簡単なことのようですが、時刻表では14760形電車がいつ特急運用されるかわかりませんので、あらかじめ調べておく必要があります。しかも、運用は急遽変わることもあります。

そこで『鉄道手帳』の編集でお世話になった地鉄のA氏に相談したところ、そういうことなら、と快く運用を教えていただきました(14760形の特急うなづき運用はUN7とUN9のみでした)。さらにA氏には稲荷町テクニカルセンターの見学の手配までしていただきました。大変お世話になりました。

14760形電車には、いわゆる「かぼちゃ電車」と「だいこん電車」がありますが、おかげさまで両方とも撮影できました。

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通称・かぼちゃ電車。

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通称・だいこん電車。

なお、稲荷町テクニカルセンター車両グループ長S氏によると、特急運用でもヘッドマークを着用しないことがあるとのこと。方向幕もあるのだから、ヘッドマークは必ずしもいらないというわけですが、この日は事前に相談していたこともあって、ヘッドマーク着用写真を撮影することができました。関係者のみなさまのご協力に深く感謝いたします。

稲荷町テクニカルセンター訪問については、回をあらためて報告したいと思います。

今夜のタモリ倶楽部も必見! 路線図がすごいんです。

前々回のタモリ倶楽部で『鉄道手帳』を紹介していただきましたが、今日の放送(2月14日(金)24:20~24:50)も必見です。

今回の番組の内容は

  「20時間完全ドキュメント AD大沢故郷博多に各駅電車で帰省」東京から博多まで333駅!夜行各駅電車で出発し何台も電車を乗り継ぎ20時間超の一人旅!鉄道ファン垂涎の名所、絶景、駅グルメなど各地の見どころを一睡もせずに全部撮影できるのか!?

面白そうですよね。東京から博多まで333駅って……。私もむかし、18キップでよく出かけましたが、すべて各駅停車というのはやったことがありません。まさにタモリ倶楽部ならではの企画ですね。

で、その旅程を示すためには路線図が必須ですが、なんと今回の放送では『鉄道手帳』の巻頭路線図が使われます。とても光栄です。

ただし、今回の路線図は手帳のそれと少し異なり、番組用にページの切れ目をなくしてつないだ特別仕様です。非常に大きなもので、見応えがあると思います。

ページをつないだ長尺版の路線図は、以前、実験的に原寸より大きめのものを作ったことがありますが、今回の路線図はそれよりもはるかに大きいようです。こちらはデータ作成のみで、制作会社さんのほうでプリントアウトしていただいているので、私も現物を見ていません。どんな仕上がりになっているのか楽しみです。

関東のみなさん、今夜のタモリ倶楽部では路線図にも注目していただければ幸いです。

なお、手前味噌ばかりで恐縮ですが、この路線図の首都圏部分を切り取ったクリアファイルを販売しています。いまのところ、下記オンラインストアだけでの販売です。
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●首都圏鉄道路線図クリアファイル (ほんまち商會にて販売中。1枚360円。メール便利用の場合、送料無料です)

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おかげさまで、タモリ倶楽部で手帳を紹介していただいて以来、多数のご注文をいただいております。まとめ買いされる方がいらっしゃるようで、大変ありがたいことです。出かける前にルートを確認するのもよし、お酒を片手にニヤニヤするもよし、友人に見せびらかすもよし……公私ともに役立つクリアファイル、ぜひこの機会にお求めください。

なお、『鉄道手帳』挟み込みのハガキでプレゼントに応募していただいた方へのプレゼントは、来週に発送したいと思います。お待たせして恐縮ですが、しばしお待ち願います。

気まぐれ駅弁紹介(6) 「近畿 味めぐり弁当」

今日も気まぐれ駅弁紹介。

今回は、ジェイアール東海パッセンジャーズさん謹製「近畿 味めぐり弁当」950円也。

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近畿二府四県の食材が多数使われています。ボリュームがあって、値段もそこそこ。しかも、おかずにハズレがありません。ホーム売店など駅弁の種類が限られた店だと、自然とこの駅弁に手が伸びます。

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ご覧のとおり、たくさんの食材が使われています。いろいろ食べたいという人にオススメです。それぞれのおかずに使われている食材の産地は以下のとおり(フタの裏にイラストマップがあります)。

  かやくご飯:近江米(滋賀産)
  たくあんじゃこ煮
  メンチカツ:近江牛(滋賀産)
  しし唐
  しめじドレッシング和え:ぶなしめじ(兵庫・淡路島産)
  筑前煮:近江鶏(滋賀・蒲生および甲賀市)、牛蒡(奈良産)
  出し巻き玉子
  生姜入りさつま揚げ水菜と揚げの浸し:水菜(京都産、奈良産)
  大根の煮物
  丸茄子の揚げ煮:丸茄子(大阪・富田林産)
  剥き枝豆
  切干し南高梅和え:紀州梅(和歌山産)
  西京味噌だれ小袋:西京みそ(京都産)

全部が近畿の食材というわけではないようですが、これだけあれば、近畿の味といっても差し支えないと思います。迷ったらコレにしましょう。

気まぐれ駅弁紹介(5) 福井名物「焼き鯖寿し」

明日は休日なのでもう1本。今回は駅弁の本を作るとしたら、個人的にぜひ載せたい駅弁、福井名物「焼き鯖寿し」をご紹介したいと思います。

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金色の帯に誇らしげに書かれた「福井県知事賞 受賞」の文字。左右に配された焼き鯖寿しの写真と文字が食欲をそそります。越前田村屋さん謹製で、1100円也(東京駅購入価格。ウェブサイトでは1000円)。

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箱を開くとこんな感じ。焼き鯖だけで、付け合わせも一切なし。これぞ駅弁のストロングスタイル。アニメ版「ミスター味っ子」なら、箱を開いた瞬間に金色の光が放たれるはず。

いかにも美味しそうな焼き上がりですが、断面を見るともっとすごい。アップの写真を撮るのを忘れてしまったのが悔やまれます。よく脂ののった肉厚の鯖とふっくらしたご飯の間には、煮椎茸と生姜が挟まれていました。これが鯖の臭みを消すとともに、味のアクセントにもなっていています。味皇じゃありませんが、一口食べた瞬間、衝撃が走りましたよ。

じつはこの焼き鯖寿しは、新幹線の中で駅弁を食べたあとに自宅で食べたのですが、それにもかかわらず、ぺろりとたいらげました。もし見つけられたら、即買いをおすすめします。

●越前田村屋さんの楽天ショップ

越前田村屋さんは越前かにの名店なんですが、この焼き鯖寿しは本当に美味しいので、取り寄せる価値はあると思います。絶品です。

『すぐに役立つ366日記念日事典[改訂増補版]』

鉄道本ではありませんが、鉄道の記念日を扱っているということで、小欄で扱うことをおゆるしください。

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先日、当ブログでご紹介した『すぐに役立つ366日記念日事典[改訂増補版]』という本を、2/8(土)の朝日新聞・beの「辞書いいね!」で紹介していただきました。

●朝日新聞DIGITAL「辞書いいね!」

やったね、と思いきや、Amazon・楽天では品切ではないものの、メーカー取り寄せ対応になっています。申し訳ございません。ただ、今回の場合、書店には潤沢に在庫があります。最寄りの大きめの書店でお求めくだされば幸いです。Amazon・楽天の在庫ステータスもまもなく回復すると思います。

以上、取り急ぎお知らせまで。

『鉄道の誕生』、日本経済新聞で紹介していただきました!

2月9日(日)の日本経済新聞の読書欄(書評欄)にて、『鉄道の誕生』を紹介していただきました。当欄編集担当の方、ありがとうございます。

本書刊行前、著者の湯沢先生が「とくに日経で取り上げてもらえると嬉しいですね」とおっしゃっていたのですが、そのとおりになりました。

どんな媒体であれ、本書の存在を知らしめてくださるものは著者・編集者にとって大変ありがたいのですが、著者・湯沢威先生は、イギリス鉄道経営史の第一人者であり、今回の本も、鉄道草創期の歴史を経済史・経営史的観点から考察することに主眼がおかれているので、そのように仰ったのだろうと思います。

この書評はとても的確に本書の主張を捉えており、できればここにリンクでも貼りたいところですが、この電子版記事は講読登録がないと読めません。見出しだけ引用しますと「先端技術集積した英炭田地帯」。当ブログ前回記事では触れませんでしたが、ここもとても大事な点です。見出しについて簡単にいえば、シリコンバレーよろしく、優れた技術者が集結し、鉄道技術が発達していったという話です。

朝日新聞に広告掲載。

『鉄道手帳』につきましては、依然として品薄でご迷惑をおかけしております。あいにく重版の予定はなく、書店ないし取次にある在庫のみでの対応となってしまいます。せっかく関心をもっていただけたところで大変心苦しく思いますが、なにとぞご容赦願います。

その代わりにはなりませんが、先月刊行した『鉄道の誕生』についてご案内いたします。朝日新聞をお読みの方は、日曜日の読書欄にこんな広告が載っていたのをご存じでしょうか。

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左下に慎ましく、しかし書名はけっこう大きく掲載されています。湯沢威著『鉄道の誕生――イギリスから世界へ』(税込2310円)。ありがたいもので、この広告が出ると、たちまち書店で反応がありました。

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本書は前にも申し上げましたように、「創元世界史ライブラリー」の1冊です。世界史の本なので、書店では世界史本のコーナーに置かれていることが多いと思います。

いわゆる鉄道趣味本ではないので、鉄道ファンの方にはひょっとしたら少し物足りないかもしれませんが、鉄道がどのような経緯を辿って誕生したのか、鉄道が登場したことによって社会がどのように変わったのかを知ることは、鉄道趣味をより深く楽しむうえで有益だと思います。

本書はしがきの一部を抜き出してみます(と言いつつ、けっこう長いので、飛ばしてくださってもかまいません)。



  ある時代に発明されたものが、同時代の社会を一変し、その後の歴史に少なからぬ影響を与えた例は数多くある。交通・輸送にかぎっても、車輪・船・馬車・鉄道・自動車・飛行機など、文字どおり画期的な発明があり、これらを抜きに近代までの経済発展はなかったと言っても過言ではない。

  とりわけ鉄道は、19世紀はじめにイギリスで発明されるや、短期間のうちに欧米をはじめ世界へと広がり、物資の輸送や人間の移動手段として日常的に使われるようになった。鉄道は各国の経済・社会や文化に大きな影響を与えることとなった。

  鉄道による高速輸送の実現は、人々のライフスタイルをも変えた。馬車ならば数日かかったような遠方への出張も鉄道ならば一日で済むようになったし、通勤列車も生まれた。生鮮食料の輸送が可能になったことにより、都会の食卓に地方からの新鮮な野菜やミルクが並ぶようになった。鉄道の発達は国内の流通ルートの変更をもたらし、全国の産業分布にも影響を及ぼすようになった。また、郵便の配達や新聞、雑誌の輸送も以前とは比べものにならないほど早くなり、人々はいち早く情報を共有できた。さらには鉄道を利用した旅行業が誕生し、世界初の旅行代理店も誕生した。

  鉄道の建設自体がもたらした経済効果も見逃せない。巨大なインフラの建設には巨額の資金を必要としたが、それは株式会社の設立によって調達された。一九世紀のあいだには三度の鉄道ブームが起こり、新しい形態のビジネスも生まれた。レールや蒸気機関車などの鉄道関連の産業や、鉄道建設にかかわった多数の建設業者たちがそうである。さらに注目しなければならないのは、輸送方法の革新として登場した鉄道が、次第にそれ自身が投機対象としての性格を強めていくことである。そこにはイギリス社会における投資家層の形成をみることができる。しかも投資家たちは国内の鉄道だけではなく、海外の鉄道にも積極的に関わっていった。一九世紀後半のイギリスの海外投資の過半が鉄道に向けられていたことの理由も明らかとなろう。このように鉄道は産業革命以降の近代文明社会の一つの象徴的な存在となり、現代社会経済の形成のうえで大きな影響を与えた一つの産業であることは間違いないであろう。




いかがでしょう。ブログだと読みづらいかもしれませんが、1つひとつ想像しながら読むと、鉄道がもたらしたインパクトがよくわかると思います。本文では、技術の発展や、トレヴィシック、スティーヴンソン父子などの鉄道技術者、鉄道建設に邁進した商人や銀行家などのエピソードを交えながら、鉄道草創期の歴史を蒸気機関車以前に遡って丁寧に解説しています。

もちろん、鉄道史上重要な蒸気機関車もたくさん出てきます。「蒸気機関車の父」リチャード・トレヴィシックによる世界初の蒸気機関車、「鉄道の父」ジョージ・スティーヴンソンによるロコモーション号およびロケット号、熾烈をきわめた「北への競争」の主役フライング・スコッツマンおよびデイ・スコッチ・エクスプレス、蒸気機関車の史上最高速を記録したマラード号など、鉄道史を彩る名車両を図版や写真とともに紹介しています。

ほかにも、レールの材質や形状の変遷、ゲージ・サイズ(軌間)決定の経緯、英米の客車の違い、鉄道建設請負業者の存在、「鉄道王」ジョージ・ハドソン、スコットランドのテイ湾とフォース湾に建設された長大な橋梁(これは必見)などなど、興味深いトピックスがたくさん出てきます。

「日本の鉄道だけで十分」などとおっしゃらず、鉄道の起源について楽しみながら学んでいただければ幸いです。優れた日本の鉄道技術も、もとを辿ればイギリスのそれに行き着くのですから、知っておいて損はないと思います。

2014年版の見どころ(7) 月間スケジュール

週末なのでもう1本。

『鉄道手帳』の月間スケジュール頁には、発行年の12月から翌年12月までの鉄軌道各社のイベント予定を掲載しています。イベント予定の掲載は2011年版からで、それ以前はここは単なるメモスペースでした。

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2014年版の10月のイベント予定。14日が「鉄道の日」ということもあって、10月は各社イベントが目白押しです。これ以上増えたら、どうしましょう。

このイベント予定は、ありがたいことに年々掲載数が増えています。最初の頃は、現在の半分くらいしか掲載していませんでした。1年先の予定を公表するというのは、逆の立場で考えると、なかなか勇気のいることだと思います。鉄道会社の皆様、毎年快くご協力くださり、本当にありがとうございます。

とはいえ、ここに掲げられているイベントは、各地で行われるイベントの一部です。実際にはもっと多くのイベントがあります。じゃあ、何でもっと掲載しないのかとお思いでしょうが、「イベントのプレスリリースは1ヵ月前から」というルールを設けているところもあり、手帳編集時点で掲載できないのです。

それはさておき、2月もいろいろなイベントがあります。魅力的なイベントばかりですが、このなかで個人的にもっとも気になるのは、のと鉄道さんの「かき炭火焼き『あつあつ亭』開店」の項目です。

のと鉄道さんのHPの情報を一部抜粋します。

  「穴水駅ホームあつあつ亭」
  メニュー:焼き牡蠣、牡蠣フライ、牡蠣ごはん、牡蠣釜めし、能登ワインなど
  
  牡蠣料理店「穴水駅ホームあつあつ亭」のオープン日に合わせ、
  1日2便、名物ガイドが沿線を紹介する「牡蠣グルメ&語り手列車」
  を運行いたします。

  運行日時:平成26年1月11日(土)~3月23日(日)の土・日・祝
  料金:500円(七尾-穴水間往復分)

なんという贅沢。これはぜひとも、行ってみたい、乗ってみたい、食べてみたい。しかし、能登は遠い、しかも2月、3月はとっても忙しい……。今年はひとまず阪神尼崎の「かき金」にでも行きましょうかね。

そうそう、忘れるところでした。2014年版では月間スケジュール頁の仕様を少しだけ変えました。もうお気づきの方がほとんどでしょうが、念のため。下の写真をご覧ください。

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はい、2014年版から日の出・日の入りが入っています。

思いつきで入れたものの、それほど実用性もないかなと思っていたのですが、意外にご好評をいただいています。はがきに、写真撮影の役に立つと書いてこられた方が何人かいらっしゃいました。時間はいずれも国立天文台調べなのでまず間違いはないと思いますが、地域偏差がけっこうあるので、目安としてご覧ください。

なお、2~3人の方から「毎日の月の満ち欠けも入れて欲しい」というご意見をいただきましたが、それは勘弁してください。調べるのも大変ですが、校正が大変すぎます。いや、それ以前に組版担当の方に睨まれます。

気まぐれ駅弁紹介(4) 米沢名物・牛丼弁当「牛肉どまん中」

今日も気まぐれ駅弁紹介。昨年撮り貯めた写真がまだあります。

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米沢の新杵屋さん謹製、米沢名物・牛丼弁当「牛肉どまん中」1100円也。小細工を弄しない、直球勝負。牛肉大好きの私にはたまりません。

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期待どおりの牛肉山盛り。手前のほうに牛肉の小間切れ、奥のほうに牛肉のそぼろがたっぷり載っています。付け合わせは里芋と人参の煮物、鰊の昆布巻き、玉子焼き、桜大根漬け。主役を引き立てる名脇役。

味付けもちょうどよく、食べ続けても飽きません。真っ向勝負のネーミングどおりの盛りつけに感動しつつ、もりもり食べました。

が、新杵屋さんのHPによれば、「どまん中」というのは、山形県産のお米のことでした。まあ、真っ向勝負の意味合いもあるのでしょうが。山形新幹線の開業に合わせて発売され、いまでは全国区とのこと。

姉妹駅弁として、米沢名物・牛丼弁当「牛肉どまん中 しお」というのがあるそうです。今度食べてみます。

気まぐれ駅弁紹介(3) 鱈めし

M氏の激励会前に1本。

「駅弁味の陣2012」で優勝したという直江津名物「鱈めし」。

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これも東京駅の駅弁屋で購入したはず。ホテルハイマートさん謹製、950円也。

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写真だとそうは見えないかもしれませんが、手に持つとけっこうずっしり来ます。

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具材はごらんのとおり、たっぷり載っています。器はあまり上げ底ではなく、新潟のおいしいお米がぎっしり詰まっています。あまからの棒鱈、塩たらこ、数の子入りのわさび漬け、鱈の親子漬け、昆布の佃煮など。まさしく鱈づくし。やや濃いめの味付けがごはんとよく合い、食が進みます。

こういうのを食べるときは「食らいつく」とか「かっ喰らう」という表現が似合いそうです。さすがに優勝駅弁で、とても満足しました。これは強くオススメします。

気まぐれ駅弁紹介(2) 金山御膳

ちょうど昼時なので、昨年食べた駅弁を紹介。

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京都・胡蝶庵謹製の「金山御膳」。たぶん京都駅にて購入、950円也。

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松茸ごはんには栗と錦糸卵、かまぼこが載っています。上品な味です。かまぼこは彩りを考慮してのことでしょうが、なくても良かったような……。

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舞茸の天ぷら、鮭の西京漬け、肉厚の椎茸、具が何か忘れましたがあられ揚げ、甘い牛肉の煮付け、だし巻き、右上の緑色のは前にも食べたことがありますが、名前がわかりません。醤油で味付けしてあって、歯ごたえがあります。

いわゆる「やさしい味付け」で美味しかったのですが、ややボリューム不足の感あり。どちらかといえば、女性向きでしょうかね。

ここはどこでしょう?(2) 回答編

昨日出したクイズの答え合わせです。

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首都圏にお住まいの方、出張される方には簡単すぎたでしょうか。正解は東京駅の丸の内口です。東京ステーションギャラリーに行ったついでに2階部分から撮影しました。

柱の文字は読み取りにくかったかもしれませんが、「AD MMXⅡ」と書かれています。「AD」はラテン語の「Anno Domini」の略で「キリストの年代」という意味ですが、ご存じのように「紀元後」を表しています(ちなみに対となる「BC」は「Before Christ」の略。一方はラテン語、一方は英語というのはどういうことなのでしょうか)。

「MMXⅡ」はローマ数字です。Mは1000を表しますから、MMで2000。Xは10、Ⅱは2ですね。ということは、合わせると「2012」になります。2012は、おそらく東京駅の復原が2012年に完成したことを表しているのだと思います。

ちなみに柱頭のほうはどうなっているかというと、

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はい、世界史で習いましたね。渦巻き飾りが特徴的なイオニア式の柱です。この柱頭は、戦後の修復の際に2階部分に移設されたものを復原工事の際に3階部分に戻し、創建当時の姿にしたそうです。

なお、『鉄道手帳[2014年版]』の12月20日の項にはこう書いてあります。

  (有)東京中央停車場完成[1914年](2) ※(有)は丸付き文字、(2)は肩付き数字

そして欄外にこう補足しています。

   (2) 設計は辰野金吾が担当。赤レンガ造り鉄骨3階建て、両翼にドームを備えたルネサンス様式の堂々たる駅舎であったが、戦火により大部分が消失した。2003年、国の重要文化財に指定。2012年には誕生当時の外観に復元。

付け加えますと、東京駅丸の内本屋は重要文化財であるとともに、近代化遺産、近代化産業遺産にも指定されています。鉄道記念物に指定されても良さそうな気がしますが……。

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ドーム天井部分。素晴らしい。

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2階から撮影。格好良すぎる。

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創建当時の赤レンガ。東京ステーションギャラリー内を移動する時に撮影。

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東京駅の復原工事の全体像については、以下のPDFが参考になると思います。東京駅見学の際に持参すると役立ちそうです。

★東京駅丸の内駅舎見学マップ(JR東日本)

2014年版の見どころ(6) 路線・駅名変更について

遅まきながら、『鉄道手帳[2014年版]』の見どころの紹介を再開したいと思います。

巻頭路線図の14頁目に「◆2012年9月~2013年12月の動向」として、この間の新駅開業、駅名改称、廃止駅などの情報をまとめています。2012年9月を起点としているのは、前年の『鉄道手帳』編集の締切が9月だからで、終点を2013年12月としているのは、できるだけ確実な情報を掲載したいからです。

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9月の時点で12月以降の予定が判明している場合もありますが、「2014年春ごろ」のように月日が確定していない、変更される可能性がある場合は、原則として入れないようにしています(日付がほぼ確定している場合でも、整合性の観点からここには表記しません)。

逆に2013年9月以降、2013年12月までに変更することが確定している場合は、実用性を考慮して、変更後の駅名等を路線図に反映しています。たとえば、阪急電鉄京都本線に12月21日に開業した西山天王山駅は、編集時点ではなかったわけですが、2014年の手帳として使うことを考えて、当該箇所に注を表記して路線図に組み込んであります。

同様に、同日に駅名が改称された駅(三宮駅→神戸三宮駅、服部駅→服部天神駅、中山駅→中山観音駅、松尾駅→松尾大社駅)は、改称後の駅名を表記しています。

14頁の一覧に収まらない変更については、路線図の欄外に適宜赤字で注を入れています。たとえば海峡線の竜飛海底駅は2014年春に廃止予定となっているので、その旨を書き添えてあります。

ちなみにこの方式は2013年版から採用しています。こういうふうに一括表記するとボロが出やすいので、最初はためらいましたが、路線図が毎年メンテナンスされていることを示すためにも、また万が一間違いがあったときにすぐにわかるように、思い切って採用することにしました。

所澤氏も最初は私と同じ理由で渋っていましたが、いったんやりだすと、徹底的に調べてくれるようになりました。編集部が作成した原稿を所澤氏がチェックしてくれるのですが、今回も容赦なく朱筆が入りました。記述が間違っていたわけではないのですが、記述の整合性・統一性の観点から、厳しいチェックが入るわけです。ある意味では、私より編集の仕事に向いているかもしれません。

いまのところ、「ここが違う」といったご指摘はありませんが、何人かの方からは「わかりやすくて良い」とおほめの言葉をいただいております。路線図やダイアリー、資料編などをほめていただけるのはもちろん嬉しいことですが、こういう細かなところにご意見を頂戴するのもありがたいことです。

細心の注意を払っているつもりですが、それでも抜けや間違いがないとは言い切れません。お気づきの点がありましたら、ぜひご教示をお願いいたします。

今日は退屈な話になってしまったので、おまけでクイズ。ここはどこでしょう? そして柱の文字は何を意味するのでしょう? 簡単すぎますかね。

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正解は次回記事で。

気まぐれ駅弁紹介(1) 湘南しらす弁当

何の脈絡もなく、昨年食べた駅弁を紹介。

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大船軒さん謹製「湘南しらす弁当」1100円也。東京駅の駅弁屋にて購入。東京駅で販売しているものは、本家と少し異なります(弁当箱の形からして違います)。

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真ん中にぷりっぷりのしらす、脇をイクラの醤油漬けと桜エビが固めています。東京駅販売分は少々値が張りますが、その価値はあるかと。

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しらすはもちろん、桜エビもその質に文句なし。しらす漁解禁は3月だそうですので、その頃に見つけたら即買いしたいと思います。

「タモリ倶楽部」で紹介していただきました!

鉄道手帳ユーザーのみなさま、こんにちは。そして、タモリ倶楽部をご覧になって当ブログを訪れてくださったみなさん、はじめまして。鉄道手帳編集部です。

1/31(金)放送のタモリ倶楽部で紹介していただいたおかげで、いままで本手帳の存在を知らなかった人たちに認知してもらうことができ、大変喜んでおります。

大阪におりますので放送は見られず(まだ見ていません。のちほど制作局からDVDを送っていただけるとか)、その代わり、放送時間中はツイッターを見ていたのですが、あまりの反響の大きさに驚きました。

しばらく連絡をとっていなかった先生や友人からも「知らずに見ていたら出ていたから、びっくりした」などと連絡がありました。恥ずかしいので関東在住の知り合いには言わずにいたのですが、みなさんけっこう見ているんですね。

タモリさんはじめ、ご出演の皆様、スタッフの皆様、本当にお世話になりました。かさねて御礼申し上げます。

ただ、番組で本手帳を知って買おうとされた方には申し訳ないことに、しばらく前から品薄状態が続いています。12月中旬にNHK「ゆうどきネットワーク」で、1月17日にフジ「めざましテレビ」で紹介していただいたこともあって、かつてないほど市場在庫が少なくなっています。社内在庫も同様で、書店からの返品で一時的に在庫ができても、すぐに再出荷される状況です。

したがいまして、ネットや書店ですでに注文を済まされている場合でも、お手元に手帳が届くまでに時間がかかることが予想されます(弊社通販でご注文された場合も同様です)。申し訳ございません。

ただし、市場在庫がまったくないわけではなく、あるところにはあるようです。紀伊國屋書店さん、丸善書店さん、ジュンク堂書店さんの場合は各店舗の在庫検索ができますので、そちらをご利用願います。また、現時点ではどうかわかりませんが、神田にある書泉グランデさんやブックタワーさんには比較的多数を配本しているので、まだ在庫があるかもしれません(一昨日か昨日の時点ではあったようです)。

ツイッターで検索するのもいいかもしれません。ここ1~2日でお買い上げになった方々、まだ在庫があるという書店さまにおかれましては、一人でも多くの方に手帳が行き渡るよう、情報発信にご協力くだされば幸いです。

なお、手帳ではありませんが、『鉄道手帳』の派生商品である「首都圏鉄道路線図クリアファイル」(手帳の巻頭路線図を拡大したオリジナルクリアファイル)も一時的に品切になりましたが、現在は在庫ステータスが回復しています。複数枚を購入される方も多いようで、予想を上回るご注文があったようです。

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路線図のクリアファイルは数あれど、ここまで詳しい路線図はないと思います。プライベートにも仕事にも使える、「1粒で2度美味しい」(byアーモンドグリコ)クリアファイルです。ただし、貨物線はご乗車になれませんので、ご注意ください。

このクリアファイルは、現在のところ、下記オンラインストアでのみ販売しております。こちらも在庫がなくなり次第、販売を終了することになると思いますので、興味のある方はぜひこの機会にお求めください(メール便は送料無料)。

★ほんまち商會 1枚360円。送料無料。

おまけで、最近食した駅弁をご紹介。

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ジェイアール東海パッセンジャーズ謹製「牛すき重」、1000円也。大阪版、東京版、名古屋版で味付けが違うようですが、私は大阪版だけしか食べていない気がします。

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具材は、牛肉、椎茸のスライス、白滝、ささがき牛蒡、竹の子、彩りのピーマンなど。付け合わせは甘い玉子焼きと大根の醤油漬け。私の定番のひとつ。迷うときはコレを買っておけば、まず後悔はしません。