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『近鉄中興の祖 佐伯勇の生涯』刊行しました!

佐伯勇をご存じでしょうか。近鉄ファンでない方や、昭和の鉄道史に詳しくない方にはピンと来ないかもしれません。

書名に「近鉄中興の祖」とあるように、近鉄初の生え抜き社長として、ビスタカーの運行、名阪直通特急の実現、沿線開発、旅行業の拡大など、戦後近鉄の黄金時代を築いた、いまふうに言うならば「レジェンド」そのものです。

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神崎宣武著『近鉄中興の祖 佐伯勇の生涯』(2019年1月18日発売)

じつはこの本、まったくの新刊ではありません。1992年に河出書房さんから『経営の風土学 佐伯勇の生涯』として刊行されたものに、一部手を入れて復刊したものです。ですから、一度は読んだことがあるという方もいらっしゃるでしょう。

四半世紀以上前の本を、どうしていまごろ復刊するのか――復刊の承諾を得るにあたり、近鉄広報部や河出書房の方、そして佐伯家現当主からも尋ねられました。

すでに一定の需要に応えたであろう本を、佐伯勇を知る人が少なくなったこの時代になぜ、という当然の疑問です。

その時どのようにお答えしたのかよく覚えていませんが、これといった需要予測や確信はなく、「後世に読み継がれるべき良い本だからです」というようなことを申し上げたと思います。

よくそんな理由で出したものだと言われそうですが、本書にはそれだけの魅力があります。

旧版と私との出会いは、なかば偶然です。古書店に取り置きしてもらった本を取りに行った時、ついでに棚を眺めていたら、本書旧版が目に入りました。

こういう本があることは文献リストで知っていましたが、実物を見るのは初めてです。迷わず購入し、目的の本よりも先に読みきりました(そして最初に探していた本は、知り合いの先生に差し上げました)。

著者は神崎宣武先生。民俗学の泰斗にして、名文家です。物語は大阪ミナミの料亭の一室から始まるのですが、書き出しからして出色で、部屋に佇む女将の姿がまざまざと浮かび上がってきました。名作の予感です。

……いけません。すでに長くなっていますが、この調子だとまだまだ続きそうです。今日はここまでにして、本書の内容については日をあらためてお伝えします。
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『東京の地下鉄相互直通ガイド』、重版しました!

これもまた、少々前のことで恐縮ですが、じつは昨年9月に刊行した『東京の地下鉄相互直通ガイド』を11月に重版しております。

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マニアックなテーマなので売り切れるのかやや心配していたのですが、神保町の某書店をはじめ、期待どおりの反応があり、重版にいたりました。関係者の皆様のご尽力に心より御礼申し上げます。

なお、初版をご購入くださった方には申し訳ないことですが、初版ではいくつか恥ずかしい間違いがありました。以下のリンク先に正誤表をまとめておりますので、ご確認のほどお願い申し上げます(第2刷では訂正済みです)。

●『東京の地下鉄相互直通ガイド』訂正とおわび

今後ともよろしくお願い申し上げます。

『鉄道快適化物語』が朝日新聞読書面で紹介されました!

※以下は、昨年12月のはじめに書いた記事です。書き上げたものの、下書き設定のまま公開するのを忘れていました。すみません。いまごろで恐縮ですが、せっかく書いたものなので、掲載させていただきます。

少し前の話題でアレですが、昨年11月11日の朝日新聞読書面にて、小島英俊著『鉄道快適化物語』を取り上げていただきました。評者は『スットコランド日記』などで知られるエッセイストの宮田珠己さん。宮田さん、遅ればせながら、ありがとうございます!

少しだけ引用させていただくと、

「本書を読むと、台車の技術革新、自動列車停止装置(ATS)から冷房の導入、トイレの改善等々、安全性やスピードの向上は当然として、居室空間の快適さや設備の充実まで、あらゆる面で工夫と努力が重ねられてきたことがわかる」

そうなんです。漢字ばかりの書名でいかめしい印象を持たれるかもしれませんが、ひと口に快適化といっても、その内容は多岐にわたります。

座席の座り心地の向上や照明器具の進化、冷暖房設備の設置もそうですし、鉄道延伸による新たなニーズへの対応として登場した寝台車や食堂車、列車の無煙化・電化と速達性アップ、車内外のサービスの改善などなど、さまざまな切り口があります。

そして近年は地域限定の観光列車や、クルーズ列車と呼ばれる超豪華列車が陸続とデビューし、究極の快適性が追求されています。まさに「あらゆる面で工夫と努力が重ねられてきた」わけで、鉄道草創期のころと比べると、隔世の感があります。

本書を通して日本の鉄道のあゆみを振り返り、日本の鉄道の進化の軌跡を追体験していただければ幸いです。