2009年版のジャケット

今日は『鉄道手帳』の装丁についてお話しします。ビニールカバーに紙ジャケット(カバー)というスタイルは2009年版以来変わっていませんが、じつは毎年少しずつ進化しています。

装丁は2009年版からずっと、装丁室801の濱崎氏[注1]にお願いしています。タイトル部分に硬券を使うというアイデアは濱崎氏ならではのもので、毎年どのタイプの切符が付くのか楽しみにしている人もいます。ただ、切符が付いたのは2010年版からで2009年版はこんなデザインでした。

尼崎車庫

上の写真ではわかりにくいかもしれませんが、タイトル部分は銀箔になっていて、タイトルのやや下にやはり銀箔で北斗七星が描かれています(現物をスキャンしたので、銀箔の部分が黒くなってしまいましたが)。これはなかなか好評で、アンケートはがきに「表紙の北斗七星が良かった」と書いてこられる方もいました。私も気に入りました。

造本仕様のことでもう少し書くと、2009年版ではジャケットと帯(写真)が別々でした(いまは帯相当部分をジャケットに刷り込んでいます)。また、この時はジャケットの裏は印刷がなく、リバーシブル仕様ではありませんでした(当然ながら、両面印刷は余分にお金がかかります)。現在のかたちになったのは2010年版からです。当初は、鉄道写真をはずしたい場合は帯をはずしてもらえばいいと思っていたのですが、ISBNのバーコードが邪魔だというご意見をいただいたので、ジャケット両面印刷を採用した次第。

ちなみに現在のジャケット裏面にはちょっとした加工が施してあります。摩擦耐性を高めるため、「ニスびき」をしています。高級な加工ではありませんが、これによりジャケット裏面の色落ちを抑えることができるのです。

帯に使われている写真は、表面が2009年3月に引退した「富士・はやぶさ」、裏面は阪神なんば線開業前、2008年夏の終わりごろに撮影した阪神電気鉄道・尼崎車庫です。阪神・近鉄の電車が並んでいるのがおわかりでしょうか。撮影のタイミングはおそらく数日しかなかったでしょうから、なかなかレアな写真だと思います。このあと、10月ころより阪神電鉄の運転士・車掌による本線での訓練が始まり、2009年3月20日に西九条~大阪難波間が延伸開業し、「阪神なんば線」として開業しました。

obitrainP_convert_20121105123230.jpg



[注1]『鉄道手帳』『鉄道の基礎知識』『国鉄の基礎知識』の装丁および本文フォーマットを担当。専門書から一般書まで幅広く手がけ、しかも完成度が高い。私はひそかに「マエストロ」と呼んでいます(ご本人には言いませんが)。造本装幀コンクールにて、審査員奨励賞、書籍出版協会理事長賞、印刷産業連合会会長賞印刷・製本特別賞受賞。ちなみに装丁室801の「801」は事務所の号室番号。猫好き。
スポンサーサイト

トラックバック一覧

コメント一覧

コメントの投稿

名前

タイトル

メールアドレス

URL

本文

パスワード

非公開コメント管理者にだけ表示を許可する