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「行商列車」をご存じですか?

一昨日、昨日と、鉄道史学会大会に参加してきました。目的はいくつかありますが、そのうちのひとつに「行商列車」に関する報告を聞くことがありました。
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報告レジュメから(山本氏了解済み)。

行商列車というのは、漁村や農村を起点に、行商人を乗せて日々新鮮な食材を都市に届ける行商専用列車のことです。かつては各地に見られたそうですが、モータリゼーションの進展や流通技術の発展により次第に姿を消していきました。つい最近まで、芝山千代田~京成上野間に「行商専用車両」が設定されていましたが、それもなくなり、いまでは伊勢志摩と大阪上本町を結ぶ近鉄の「鮮魚列車」を残すのみとなりました。

で、大会の話に戻しますと、今回、山本志乃氏(旅の文化研究所)が「鉄道と行商」というタイトルで行商列車に関する報告をされました。山本氏は民俗学研究者で、その研究の出発は民俗学者らしく、伊勢志摩の行商人が担いでいたという「カンカン」と呼ばれるブリキの容器だったと言います。分野が異なれば、着眼点も変わるものですね。

山本氏は、このカンカンを背負って行商を行っていた「カンカン部隊」(そのほとんどは女性)を求めて、伊勢志摩の現役の行商人や、いまはなくなってしまったけれども、まだ行商列車の記憶が残る山陰本線沿線をフィールドとして、長期にわたる調査活動を行ったそうで、その成果が今回の発表という次第。

鉄道史学会の会員諸氏にも興味深い報告だったようで、最後列の私の席からは、報告を聞きながらうなずく姿がよく見えました。同行取材を通して、鮮魚列車の運行状況は言うまでもなく、鮮魚列車の歴史、定期券(手回り品切符を含む)などの扱い、列車内の様子などをリアルに語ってくれるわけですから、話に引き込まれるのも、むべなるかな、です。

ちなみに、「旅の文化研究所」というのは近鉄グループ傘下の研究組織です(もともとは近畿日本ツーリストの傘下組織だったとか)。だからこそ、長らく謎のベールに包まれていた「鮮魚列車」の乗車取材をすることができたと思われますが、氏によれば話はそう簡単でもなかったようで、編集者として直接取材をすることもある私は、そのあたりのエピソードも興味深く聞かせていただきました。

さて、長々と学会報告について書いてきたのにはワケがあります。そう、勘の鋭い方ならおわかりでしょうが、じつは近々、行商列車の本を出版します。タイトルは『行商列車――〈カンカン部隊を追いかけて〉』で、著者はもちろん山本志乃氏。いまのところ、12月に配本予定です。乞うご期待。

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装丁はこんな感じになります。
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