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『全国駅名事典』の特徴(2)-1 徹底した公文書主義

前回に引き続き、『全国駅名事典』の特徴をご説明します。

ekimei_jacket-obi_convert_20161215171243.jpgA5判・568頁/3600円(税別)

と、その前に。忘れないうちに申し上げておきますと、『全国駅名事典』は今日あたりから全国書店で発売されます。地域や書店によって少しずれるかもしれませんが、来週月曜日にはだいたい行き渡ることと思います。

お時間のある方は(いえ、お忙しい方も!)、ぜひ書店にお立ち寄りのうえ、現物をお手にとって内容をご確認くだされば幸いです。

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巻頭路線図の次にある本書「はじめに」。ここに今回記事の要点がまとめられています。

さて、本題に入ります。

ある人から次のように尋ねられたとします。

「久しぶりの駅名事典が出たことは嬉しいけれど、今回出た事典は、一言でいうと、どこが違うの? どこにこだわっているの?」

こう訊かれると、じつは困ります。なぜなら、内容も、見せ方(レイアウト)も、それなりにこだわっているわけで、編集担当としてはあれこれ言いたいことがあります。とても一言では済みません(そもそも質問が二つあるし)。

が、それでも「一言で」と言われたならば、私はこう答えるでしょう。

「本書は、徹底した公文書主義に基づいて編集されています」

公文書主義というのは、すごく簡単にいうと「(一番確かな)お役所の資料に基づいた内容を心がける」ということです。本書の場合、とりわけ各停車場の開業日にこの原則が貫かれています。

駅名の研究にあたっては、当然のことですが、各社の社史や要覧、これまでに刊行された事典や書籍・雑誌を参考にします。本書編纂に際しても、多くの文献が参照されています。

が、これらは言うなれば「二次文献(資料)」であり、間違いがまったくないとは言い切れません。

元の記録が間違えて引き写されている可能性がありますし、長い年月のあいだに何かの拍子で誤った記録が引き継がれてしまった可能性もあります。最初の開業記録がわからなくなって、とりあえず判明している記録が最初の開業となっているケースもありえます。

信用していないわけではないのですが、人間誰しも間違いや勘違いはありますからね(私はしょっちゅう失敗しています)。

そして、そういう誤りは実際にあるもので、A文献とB文献で記載内容が異なることがあります。で、そのままにしておくと、それが後世に引き継がれていって、どちらが本当の情報かわからなくなってしまいます。

こういうことが起きないように、駅名研究にかぎらず、ちゃんとした研究では「一次資料」にあたります。

たとえば日本史の研究でいえば、一次史料に基づいた専門書だからとその引用を鵜呑みにせず(孫引きせず)、できるだけ古文書などの一次史料を自分の目で確かめることが望ましいのです(研究では、さらに史料が書かれた時代や状況なども考慮して、その妥当性を判断します)。

では、駅名研究での一次資料は何かというと、『鉄道省文書』や『鉄道公報』、『官報』、鉄道統計などがそれに相当します。

【後半につづきます】
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